泣いて笑ってよ一等星

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卵巣の腫瘍を半年以上かけて取った話

 

このブログはオタク活動では無い事なのだけれど、女性なら誰でもなる可能性のある病気だそうなのでここに記録として残しておこうと思います。

 

① 2019/6/6

この日くらいからとてつもない腹痛に襲われ始める。冷や汗や脂汗が止まらず、トイレに行っても排泄はなし。かと言って便秘ではなく、ともかくお腹を冷やしてはならないと6月だというのにカイロを持って出勤していた。

 

② 2019/6/8

心配してくれた同僚達の勧めもあり午後から休みを取って病院へ。祖父の「女性の腹痛なら自分より祖母が病院について行った方がいい」という配慮が身に染みる。そこで卵巣の腫瘍を発見。ひとまず鎮痛剤のみ処方してもらい、後日婦人科のある病院へ行くことになる。

 

※実を言うと中学生の頃にはその卵巣腫は既に見つかっており、経過観察のままであった。実害もなけりゃ義務教育の終了と共に福祉医療制度も切れてしまったので放置していた。

 

③ 2019/6/11

大きな病院へ。中学時代の主治医の先生により内診。強制股開き椅子に座り、腹部エコー、内診(おしりの穴から何かしらを突っ込まれる)、MRIなどをする。卵巣に腫瘍発見。7cm程度。軽度の盲腸も発覚。盲腸は抗生剤で散らすとして、卵巣の腫瘍は腫瘍の重みで卵巣が捻れることがあるらしく(これが激痛)、エコーでは捻れているか分からないと言われる。先生の「今日手術しますか?」に戸惑う(今日してもいいように血液検査も点滴のルートも取られた)。結局その日は手術せず。

術日は決定次第追ってご連絡致しますとの事。しかし仮に捻れたら卵巣に血が通わなくなり、壊死するので捻れて激痛になったら即救急車を呼んで手術になりますと。ビビりながら帰る。

 

※術日決定の電話までの間に盲腸を散らすための抗生剤やらなんやらを飲むのだけれど、この抗生剤が全く合わねえ。倦怠感で死にそうになりながら仕事をする。

 

④ 2019/6/20

術日決定。2020/2/26。めっちゃ先やん。7/11に手術の説明するから来てねって言われる。

 

⑤ 2019/7/11

手術の説明。3日後札幌に飛ぶ予定だったので死にたくね〜と思いながら聞いていた。健康優良児、初めての入院。初めての全身麻酔。初めての腹腔鏡。が決定。腫瘍と卵巣の癒着が酷かった場合卵巣切除も考えられるとのこと。おへそと、下腹部を三ヶ所切ると言われた。

 

※ここから術前検査の日まで恐ろしく痛みがない。同僚も「最近お腹痛いって言わないね」って言うくらい。現場行きまくったし走り回ったしストレスもあったけど痛くない。

 

⑥ 2020/1/27

年が明けた。術前検査の日。体重、血圧、採血、心電図、胸部レントゲン。採血管7本分くらい血を抜かれる。翌週結果のお知らせ。

 

⑦ 2020/2/3

術前検査の諸々はなんら問題なし。ただ新たに主治医となった人が内診(おしりの穴になんか入れるやつ)が下手すぎてもうケツが死ぬ。余談だがこの日から3日程度排泄がままならない。腫瘍が8cm程度に成長していた。入院生活の話を聞き、病院食は美味しいのか不安になる。

 

※2020/2/20現在、術日決定後最も痛みが強いのが今。めちゃくちゃお腹痛い。あと少しで取れるんだから耐えてくれ。頼むから。

 

⑧ 2020/2/25 入院初日

入院の説明を聞く。思った以上に暇そう。間食は禁止。明日は絶食。ご飯大好き人間、死ぬのではないかと危惧。これを書いているいま、12時の病院食を食べ終わったところなのだがまったく足りなかった。もう早くシャワー浴びて寝よ、という気持ち。15:33現在、間食禁止がつらすぎる。暇だし腹が減る。飯はまだか。夕食をとっても腹が減りすぎて攻撃的になっているのがわかる。ほとんど胃に何も入ってないのに下剤飲んでも何も出ねえよと思いながら寝る前の下剤を飲んだ。ちなみに病院食はめちゃくちゃ美味しかったです。

 

⑨ 2020/2/26 入院2日目 手術日

暑くて眠れねえと思ってたけどスゥー…と寝た。7時前に看護師さんがやってきて

看「お通じありました?」私「トイレまだなので…」看「そうですか、お通じなかったら浣腸なのでね」

浣腸なんて聞いてないですが!?と焦りながらトイレに行ったけれど、ガスだけ出た。やめてくれ、浣腸はヤダ!浣腸はヤダ!じたばたしつつ最後のあがきでお茶がぶ飲みしたら出た。浣腸回避の瞬間である。10時前に看護師さんが着替えのお知らせと共にルートを取りに来たのだけれど、なかなか取れない。前も取りにくそうだったのでわたしの血管が悪いんだと思う。腕が冷えてて取りにくいからということで左腕を温められる。なんとか無事に点滴を繋ぐと再び待機。予定(昼後)より早く手術になりそうだと聞いていたが、昼前には呼び出され手術室に向かう。

麻酔がかかる前はぼんやりともやがかかったような、グレーのフィルターがかかったような感じがあり、目が開けれていられなくなる。目を閉じて5秒ほどは意識があったが、次に目を覚ました時にはもう病室にいた。麻酔しゅごい。16時頃目が覚めて、意識がはっきりしだしたのはその2時間後である。2時間の記憶は断片的にしかないし、見に来た先生に「術後に取れたもの見せたんですけど覚えてます?」と聞かれたが全く覚えていなかった。

ところで卵巣嚢腫というのは、卵巣に出来る腫瘍なのだが髪の毛だとか、歯だとかが絡まっていることがある。母が写真を撮っていたので見せてもらったのだけれどわたしのお腹の中には「髪の毛、大きめの歯(2本)、顎の骨(!)、脂肪」が入っていたらしい。顎の骨て。

色々繋がれているし(尿カテがいちばんつらい)、お腹は痛いしで満足に寝返りをうつこともできず、なかなか眠れなかった。

 

⑩ 2020/2/27 入院3日目

6時頃に血圧計を外してもらって、朝7時頃にやっと身体を起こしてもらえて、歯を磨けた。尿カテはついたままである。その後10時頃に尿カテを外してもらった。自由に動けるのでここからは自力でトイレなどに動き回ることになる。傷口が痛むので満足に咳ができない。咳をすると「ヴッ……」と言いながら崩れ落ちてしまう。春松竹中止のお知らせでもっと崩れ落ちた。身体は拭いてもらっているけれど2日ほどシャワーを浴びてないから身体が気持ち悪い。ノーブラ生活に慣れていなくて点滴が取れた瞬間ブラジャーをつけた。

 

⑪ 2020/2/28 入院4日目

便秘気味だった(力むと傷が痛くて排便がままならなかった)けれど、朝ごはんに牛乳がついていたので飲み干し、ちょこちょこ動いたら出た!そして出したら痛みがマシになった!お前のせいか!うんこ!(文字通りの意味) やっとシャワーも浴びることが出来るので小躍りしながら4日目を迎えた。ゆったりとした微熱が続いていたもののお風呂に入ればすっきりさっぱり。もう何も怖くないという感じになった。少し歩いただけで足がだるいので体力の低下を感じている。

 

⑫ 2020/2/29 入院5日目

またケツが死んだ。わたしのケツはすぐに死ぬ。力を抜いて待機していたのに。また排便がままならなくなる。ケツが痛い。病院に来て初めてご飯を残した。腹帯でお腹が締まってるのと、動かなさ過ぎてお腹が減らない。いよいよ明日退院なので色んな説明を聞く。

 

⑬ 2020/3/1 退院日

退院とはこんなに呆気ないものか…と思った。サクサク作業が進む。へそが痛い。あと昨日死んだケツが生き返らない。それ以外は体調も普通だけどやっぱり腹帯でお腹が減らない。これを逆手にとって腹帯ダイエットを始めました(たくましいね)

 

ここまでがわたしに起きた、半年以上にわたる卵巣の腫瘍との戦いです。下腹部で原因不明の腹痛が起こった時にはまず病院へ!

 

MRIだとか、エコー検査とか、そういうので2万近くお金は飛ぶし、術前検査で5000円近く飛んだし、手術は限度額認定証(あなたが入っている保険組合にお話を聞いてください。すぐ発行されます)を使えば25万円だったものが収入にもよりますが10万円以下で行えます。それともしもの時に備えて入院保険に入るのとても大事。

 

いつ捻れるか分からない恐怖と戦うのはしんどかったし、腫瘍が大きくなってからは寝返りすら怖かった。重症化しても子どもを産む気がないからいいとか、そういうことではなく、人間の体から臓器をひとつ取り出してしまうというのは大変な事なので…。腹腔鏡だったので1週間近くで済んだし、術後の痛みもマシだったかと思いますが、開腹手術になってからでは復帰も痛みも段違いだったと思います。どうか違和感を覚えたら病院へ。産婦人科は当たり外れが激しいというイメージがあるかと思いますが、大きな病院なら対応はいいと思います。

 

大きな病院に行く時は必ず紹介状を書いてもらってくださいね。初診で大きな病院に行くと5000円ほど取られます。クソみたいな病院でも強く!紹介状をください!と、頑張って押してください。3割負担の方なら紹介状は750円程度です。

 

どうか身体を大切に。そして楽しいオタクライフを!

 

2020.3.1